ガーネットの種類について(ガーネットグループ)

「ガーネット」とは、化学組織が近い等軸晶系のグループ名で、2系統(パイラルスパイトとウグランダイト)に分類でき、鉱物は各系統3つずつ、合計6種類あります。


◆パイラルスパイト(アルミニウムガーネット)

①パイロープガーネット(ボヘミアン・ガーネット)

「パイロープ」とはギリシャ語で”火”を表す「ピロポス(pyropos)」から名付けられました。大粒は少なく2カラットサイズを超える物はほとんどありません。16~19世紀末までチェコのボヘミアン地方が主産地だったため、別名「ボヘミアン・ガーネット」とも呼ばれます。


②アルマンダイトガーネット

「アルマンダイト」の語源は、この鉱物を古くから研磨しているトルコの都市アラバンダ(現在はアラフィサール)にちなんでいます。ややピンクっぽく、ダイヤモンドのインクルージョンとして含まれることがあります。

③スペサルタイトガーネット【オレンジ色はマンダリンガーネット】

「スペサルタイト」は、産地であったドイツやババリア地方のスペッサルトにちなんでいます。科学的に純粋な色は淡い黄色ですが、他の元素が混じることにより、オレンジから濃い赤色になります。オレンジは、1992年ナミビア北西部から産出され、「マンダリンガーネット」と呼ばれるようになりました。

カラーチェンジガーネットは、パイロープ+スペサルタイトの固溶体(下記参照)で、自然光は紫色、白熱光は赤系に変化します。


◆ウグランダイト(カルシウムガーネット)

④グロシュラライトガーネット【緑はツァボライトガーネット、オレンジはヘソナイトガーネット】

1968年にケニアのツァボ公園から緑の透明なグロシュラライトが発見され、ティファニー社が「ツァボライト」と命名したのがこの宝石です。屈折率がサファイアに近く、硬度も高いのが特徴です。赤褐色は「ヘソナイト」とよばれています。

グロシュラライトガーネットは、緑、無職、黄色、茶色。由来は、グースベリー(セイヨウスグリ)の学名「グロシュラー(Grossularia)」から名付けられました。


⑤アンドラダイトガーネット【黄は「トパゾライト」、緑は「デシマントイド」、黒は「メラナイト」】

ダイヤモンドより分散光が強いのが特徴。アンドラダイトの黄色はトパーズに似ていることから「トパゾライト」、緑は「ディマントイド」、黒は「メラナイト」と呼ばれています。


⑥ウバロバイトガーネット


さらに、「固溶体」(2種類以上の物質が互いの溶けあい、全体が均一になっているもの)が3種類あります。

①ロードライトガーネット(パイロープ+アルマンダイト)

紫がかった赤色が美しく、1882年にアメリカのノースカロライナ州で発見されました。ギリシャ語でバラを意味するロード(Rhodo)と石を意味するライト(リトス=Lithos)に由来。


②マラヤガーネット(パイロープ+スペサルタイト)もしくは、(パイロープ+スペサルタイト+アルマンダイト+グロシュラライト)


③マリガーネット(グロシュラライト+アンドラダイト)


赤系がポピュラーで、数千年の歴史をもちエジプトでは紀元前3100年にガーネットのビーズや象眼のジュエリーに使用されていました。ガーネットは青と紫はなく、オレンジ、黄色、緑などの色が産出されています。 Mizuka

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